気づけば月末です。いったい何をやっていたんでしょうか?全然ブログ更新していないじゃない。どうしたの?なんてお声までいただきました。やっていたことはいろいろです。何かにはまってしまうと、なかなか抜け出せない質なので、優先事項=最大の関心事項になるのでございました。
今月は、Mantaでございました。お客様からのお申し出で、すっかりどっぷり浸かってしまったのでございました。と申しますのは、元となるイメージがあったからでございます。ニコニコ静画の鵺右衛門さんが描かれている「マンタ×トライバル」です。とっても素敵なデザインで、オーダー内容は
①これをハワイアンキルトで制作できるパターンにしてほしい。
②中心部分にある「顔」が気に入っているので、これ残してほしい。
③サイズなどは、未定なので、制作出来るサイズを提案してほしい。
ここに来るまで、ご自身でいろいろこのデザインを元に、いろいろやってみたのだそうですが、結果、あまりうまく行かなくて困っておられるとのこと。で、お助けしようと思ったことがいけなかった…。
トレースでうまく行くかしらんと、元の画像を拝見させていただきながら、いろいろ考えました。まずはトレースして、100×100cm程度の大きさにレイアウトしてみよう。
と描いたのですが、これって縫えないじゃん。無理無理無理無理~。と考え方を変更。1匹しか無理っぽい。とまずは60×60cmに。その後70×70cm、80×80cmと次第に大きくして行き、最終的には90×90cmが現実的であると認識しました。ほぼ、オリジナルの画像と同じなのですが、これをどのようにカットすれば制作できるのか?隙間が空いていると合わせるのが難しい。よーし、一度布でカットしてみるか~。とパターンを布にトレースしたところで、中止しました。パターン的には良い感じに見えるのですが、ここで見えている白の部分をいつ切り落とすのか?しつけをした後に切り取ればいいの?でも、これではタパカパとは言えなくなってしまう。
こうなったら全く考え方を変えて、でも「顔」の部分のイメージは残したまま、最終的なパターンとしてこのデザインをご提案させていただきました。
いつも思うのですが、出した結果だけを見れば「こんなものかな?」とわたくし自身、たいしたことないなと思うのですが、このプロセスを踏まなければ結果は出てこないのも事実なのです。オーダーいただいたパターンについて、ひとつひとつこうしてしっかり考え、しっかり作業しておりますことに、実は自分自身が疲れてしまうことがとても多いのです。
このMantaをご注文くださった方とは直接お電話でお話し、彼女自身も、「こんなに大変な作業をお願いしてしまって、なんだか申し訳ありません。」なんて言ってくださいましたから、良かったです。今回は、きちんと費用をご負担いただけたので、とても良かったと胸をなでおろすのでございました。パターンは確かに型紙にしかすぎないかもしれませんが、こうして一生懸命作業する理由は、楽しく確実に作品を仕上げていただけることを常に願ってのことでございます。
また、これに加えて、このパターンをいったい何人の方が制作したいとお考えくださるか?という点を考えた価格の設定をしなければならないという問題もございます。自分で考えて、自分からご提案させていただくデザインについては、全てが自己責任なので気が楽なのですが、こういったオーダーパターンは、そうは参りません。デザイン作業に対して、あまり多くのお金を払いたくないと考える日本で仕事してきたわたくしは、そのことをよーーーく知っておりますので、いやな思いをさせてはいけない。嫌われたくない。どうしよう。と葛藤するのでございます。おそらくサイトで販売されているパターン=オーダー価格。と思われる方が多いはずなので作業をしても、思っていたのと違いました~。なんて言われてしまったら涙、涙で貧乏まっしぐらということにもなりかねません。
そんなこんなで、わたくしは、考えるわたくし自身に語りかけてどっと疲れてしまうのでございます。
で。結果。しばらくパターンオーダーはお休みさせていただこうと考えたのでございます。ちょうど月末ですし。お知らせするにはちょうどいいかなとも思ったのでございます。
コメント
吉田様
お世話になっております。川崎です。
久しぶりのブログを拝見しまして、ホッといたしました。
きっと今、吉田様は何かに取り組んでおられるのだろうと
思ってはおりましたが、タイトルを見て一瞬、時が止まりました^^;
パターンを生み出す難しさに、時に底知れぬものを感じると同時に、
吉田様のパターンをもっともっと大事にしたい気持ち、
製作が気持ちよく成立出来る感謝の気持ちが湧き出てまいりました。
ご心配おかけしました。
元気で悩んでおります。
一人でいろいろやって居るときは、とっても楽しいのですが、
パターンを商品化する際には、ほんとうにいろいろなことを考えてしまいます。
デザインの持つ力は、小さく、無視されがちですが、
価値を見いだされなくても、ひとつひとつは、まじめにやっているのです。
なぜなら、パターンは、皆様の作品のクオリティに直結するプロセスであるものですから。
コメントしてくださったこと、嬉しく思います。
以後もそうぞよろしくお願い申し上げます。
お疲れ様でした。
天候が安定しないので
お体の具合が優れないのかな?
お忙しいのかな?と
思っていました。
すごいパターンですねー
パソコンの画面とお話をされながら
何時間も、何日も過ごされたのでしょうね…
すごい。
たまには、横になって休んでくださいね
お客様である島村様より「お疲れ様でした。」
と言っていただける立場になどないのに、なんだか申し訳ない気がします。
PCの画面に加えて、今回は布とも戦いました。
机上の理論だけではうまく行かないことも多いので、
長く続ければ続けるほど、難しさを感じます。
お優しいお言葉、感謝いたします。