2014年最後の仕事は、ファブリックのデザインでございました。そのときデザインした20型を一挙にご紹介する、新春大特集です。このファブリックは全て、クライアント様のオリジナル生地として、フラのドレスやパウスカートなどの製品となって販売される予定です。フラダンサーに人気なのは圧倒的に「レフア」だそうで、今回はレフアを中心に、生地の様々な用途を想定して型を描いております。次に人気なのは「ピカケ」「マイレ」「キルト柄」などだそうで、そんなことを頭に描きながらデザインしています。
一番最初にご紹介したのはそんな人気のレフアではなくてブルージェイドです。ヒスイカズラという植物で、わたくしもマウイの植物園で見たことがある美しい花です。わたくしは、結構植物オタクな部分がございますので、みんなが知っている花のデザインの中に、知っていただきたいと思う植物を1から2つ混ぜてデザインをご提案させていただいております。こういった植物は、わたくしと同じような趣味をお持ちの先生方にはいつも大変喜んでいただいております。
今回はひつこくブルージェイドのレイの柄も描きました。南国らしいすごい雰囲気を持つブルージェイドはわたくし自身も大好きな植物で、これをいつかベッドカバーサイズのデザインに展開したいと考えております。これとほぼ同じような植物でレッドジェイドという植物がございます。同じデザインの色違いで、ふたつの植物を表現しています。ハワイアンキルトのパターンでも、ブルージェイドのデザインを赤で作れば、レッドジェイドとして使うことができるくらいそっくりな色違いの珍しい植物です。ハワイの某有名作家もこのモチーフを気に入って、いくつもベッドカバーのデザインを残しています。是非手がけていただきたいモチーフです。
昨年人気のあったパターンは、花は圧倒的にハイビスカスとプルメリア。その他にはドルフィン、ホヌ、ゲッコー、などの動物とウクレレなどです。こういう状況を拝見すると、ハワイアンキルトパターンの持つ奥深さについてまだまだ知られていない部分が多いことを感じます。日本ハワイアンキルト製作所のサイトには、パターンだけで無く植物やモチーフの説明も詳しく掲載致しておりますので、よく知られた植物だけでなく、たくさんのパターンにチャレンジしていただければと思います。
これは、エマリリー(スパイダーリリー)とプリンセスカイウラニが好んだという白いクジャクを組み合わせて、カラカウアの時代に存在した女性王族をイメージした柄です。カラカウアは、フラの最高峰の大会メリーモナークを開催した王で、日本のフラダンスの先生は、毎年この時期には皆この大会を見に出かけてゆくほど影響力のある大会です。それより何より、こんなデザインのファブリックでドレスを作ったら素敵じゃない?と頭の中で想像しながら描いたデザインです。生地のベースはエマリリーの色、赤紫にして、地模様のように入れたカイウラニのクジャクが覗く。いいじゃん と、孤独な作業の中で自画自賛するしかないわたくしなのでございます。
生地のデザインの際に必ず必要となるのがボーダー柄と言われるものです。これはパウスカートを作る際に必要な柄で、必ず毎月デザインの中に混ぜて欲しいと言われるものです。これはピカケとマイレのレイをメインに、地模様を入れ、横方向のボーダーデザインになっています。ピカケは、ハワイアンソング特にラブソングによく唄われるモチーフで、現代フラにはよく出てくる人気のモチーフなのだそうです。これは受け狙いのデザインとして加えました。
同じくボーダーのデザインとしてこのデザインを作りました。右がマイレ&ティアレ。ティアレのキルト柄をバックグラウンドに使い、上に線で描いたマイレとポイントにティアレを入れたかわいらしい柄です。左は、レフアを抽象的に描いて、タトゥのような表現にしたタヒチアンタパ風のデザインにしました。一部の地域では、タヒチアン柄が大変人気があり、フラの衣装にも使われることがよくあります。この二柄は、カラーバリエーションが作りやすい基本のパターンとしてご提案させていただきました。
次はタヒチアンつながりで、ティファイファイ柄のパイナップルです。これは、繰り返し柄として使っていただいても、パレオ用に使っていただいてもいいように描きました。これは、日本ハワイアンキルト製作所でも、ティファイファイ用のパターンとして描き直したものを販売予定です。
これは、タヒチアンキルトの作家の方が元のデザインを描いておれらたものを、生地としてアレンジしたもので、最初拝見したときにはこの伸びやかなパイナップルの表現にわたくし自身とても感動いたしました。ハワイアンキルトのパターンと違って、綿を挟まないで仕上げるタヒチアンキルトについて、最近デザインや制作手法に大変興味があるので、一度タヒチなんかに行ってみたいと思うことが多くなりました。というか知ってる人が居られたら教えていただきたいと思います。
これは、ティアレです。ティアレはタヒチの国花で、タヒチアンガーデニアで検索するとたくさんの画像に出会うことができるかもしれません。このティアレもフラ6タヒチアンダンスの世界では人気のあるモチーフです。花は白く存在感のある華麗な花で、香りも良く多くの人に愛される要素を全て持った植物と言えるかもしれません。それをわざと族っぽく色づけしたヴィヴィッドティアレです。これは総柄と言われるタイプのファブリック型で、パターンを作るのが一番難しいタイプのデザインです。どちらかというと、バッグなどで使って頂けることを想定して描きました。少し派手かな?
派手なものばかり描いているのでは馬鹿みたいと思われてしまうので、次はおとなしめなものとして描いた「クレマチス」鉄線(テッセン)です。植物の説明はさておき、蔓科の植物の女王様と呼ばれています。ベースにハワイアンキルト用にデザインした切れマチスを入れ、クライアント様のニーズにお応えしたものとして作成いたしました。考えて見れば、植物の絵を描き、同時にハワイアンキルト用のパターンを持っているという人ってそんなに居ないかもしれない。こうしてわたくしなどにファブリックのデザインをご依頼くださるこの(The)クライアント様との出会いは、ある意味ラッキーだったのかもしれないと、最近思うようになりました。ハワイアンキルトの側からだけでは、なかなかお伝えするのが難しい植物の素晴らしさについてファブリックデザインでもお伝えすることが出来る機会をこうして得られているのでございますから。ここでご紹介しております生地についてのお問合せはこちらからどうぞ。
ハワイアンキルト柄で、もうひとつ。プルメリアのファブリック用の型です。わたくし自身、プルメリアのピローパターンはなんだかいっぱい持っています。それをいくつかセレクトして、人気の色ピンクで構成したデザインです。ファブリックのデザインにハワイアンキルト柄を使いたいと思っても、やはりファブリックを作るお店やメーカーも、勝手にパターンを使うといろいろ言われてしまうので、実はハワイアンキルト柄って結構難しいらしいのです。そう考えると、このハワイアンキルト柄のプルメリアは、全く問題無く生地として作って使っていただけるので、クライアント様もきっと安心だと思います。また、これもカラーバリエーションを作りやすい基本のデザインとして作成したものです。かわいいけれど、わたしはいらない。なんて言ってはいけないかもしれませんねー。わたくし自身は、ピンクがあまり好きではないので、何かに使うのなら別の色味で行きたいと思ってしまうのです。
これも、少しおタッキーな「ダブルハイビスカス」です。これは、わたくしのハワイアンキルト研究の原点となった有名作家が最も愛する花であったということを常に心に思っており、全く売れないけれど、パターンを用意しているモチーフでもあります。これも、鮮やかなカラーのものと、同系色でまとめたものといくつかをご提案させていただいた、総柄タイプのものです。麦わら帽子や髪の毛にこの花を付けて、いろいろな場所でハワイアンキルトを教え、多くの作品を作り、クオリティの高いデザインを生み続けたこの有名作家をイメージして、ベースはハワイの抜けるような青空にしました。黄色+青の幼児色の組み合わせをあえて使い、ダブルハイビスカスのオリジナルカラーであるピンクと葉の明るいグリーンを、和風な配置で構成した、デザイン。のつもりです。黄色+青=幼児色です。使うときには注意しましょう。
さてお待たせいたしました。以後は全てレフアとして描いたデザインです。
左端は、アパパネ&レフア。総柄です。アパパネはレフアの蜜を吸いに来る赤い鳥で、レフアとセットでハワイアンキルトのパターンもデザインいたしました。それ以外も全てレフアとして描き、いろいろなイメージのファブリックをご用意して、多くのニーズにお応えできるよう考えました。
リアルな描写、スタンプのようなパターン、シルエットと色を楽しむもの、最後はハワイアンキルト柄でおしまい。レフアが大好きなフラダンサーの皆様が、これらをまとって踊る姿、近いうちにお知らせできるかもしれません。
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