180×220cmのベッドカバーのオーダーをお受けしました。ご主人のベッドのカバーとしてお使いになるそうで、クラウンをモチーフとして欲しい、マイレのレイがそれほど多くないもの、大柄なもの。というのが条件です。左は、重いモチーフに対して、ご主人様の快い眠りを願って、上下にリボンをレイアウトしました。加えて、ゴージャスに、王冠が8個入るデザインです。王冠のデザインも新しいものにして、ハワイの王様の誰かを特定しない抽象的な“クラウン”としてデザインしました。
中心部分は、男性のために使われるために、花や葉を入れずに、オーナー様をお守りする護身用の剣を抽象化して入れました。制作予定のカラーは、グリーンということでしたが、ブルーもいいかな?と思っております。
ベッドカバーのように制作に時間がかかるものをオーダーしていただく場合、最低でも2つのデザインを提案させていただきます。おそらくキットを作るのも大変で、価格も高くなるものですから、お買い求めいただく生徒様に、デザインの選択肢なしに「これです。」と言ってお渡しすることはあまりに失礼です。きちんとパターンをデザインし、デザインパターンにキルトラインを入れたものを見て、ご自分でそれを仕上げることができるかどうかを事前に見て決めていただくことが普通だと思って、常に2から3個のパターンをデザインし、必要なものだけを買い取っていただくようにしています。
二つ目のデザインは、1880年代に使われていたマイレのデザインをフレームに大きく入れたまったく違うデザインのものです。余白が多めにとられていて、少しアンティークで、やわらかな雰囲気に全体がしあがるはずです。グリーン系を希望されているのなら、マイレをイメージしたこのような鮮やかなグリーンもいいかもしれません。
わたくしは、生徒様の好みを直接お聞きしたりお話したりすることができませんし、お縫いになる方のスキルも全くわかりません。ですが、縫う前からきちんとカットされることで、オーナーの方が確実に作品を仕上げるところまで到達していただけるよう、視覚に訴えるデザインを描くようにしています。ハサミでチョキンと切っただけというのではなく、最初からどんな形になるのかがわかるよう細かくデザインを描くのです。ですから、毎月カットがうまくゆき、上手にベースと組み合わせたキットを美しく作り上げることができるように訓練を積み重ねているのです。
最後は参考までに描いたデザインです。直径100cmを超えるクラウンをどーーーんと真ん中に配置してみたデザインです。巨大なパターンにわたくし自身も絶句。でも意外にドラマティックな作品に仕上がるかもしれません。オーダーの色は先にもお知らせした通り、グリーンなのですが、カラーバリエーションを考えてしまいます。こうして並べてみますと、色から感じるイメージの違いは作品に大きな影響を与えることを教えてくれます。ほかのデザインで見た色がよかったから、自分もその色で作りたいと思うケースをよく拝見させていただきますが、デザインやモチーフが変われば色も変わる。そしてそれは作品の訴求力にも違いが出ると色を並べてみて思うのです。パパのベッドの王冠であることをわすれずに。ですが。
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