「無私の日本人」という本を読みました。今「殿、利息でござる」という映画が公開されていて、羽生結弦様もお殿様の役で出ています。この本に出てくる無私の日本人とは、自分以外の人や環境をよくするために、積極的に自分を二の次にできる人たちのことで、最近あまり見かけないタイプの日本人のお話し。明治の初期にこのような人たちがが居たという実話であることが驚きです。
ちょっと前の日本人は、こんなにも謙虚だったのか。見習わなきゃならないなあ。と、改めて思ったのでございます。最後に主人公が亡くなるまえに、一族に対して言った言葉がすごい。
「ひとつひとつ、わしのしたことを人前で語ってはならぬ。わが家が善行を施したことなど、ゆめゆめ思うな。何事も驕らず、高ぶらず、地道に暮らせ。」
おっしゃる通りです。ちょっとしたことをやって、自分すごいなんて一瞬も思っちゃいけないんです。そうでした。
「…商売が続くのは、皆々様のおかげと思うて、日々、人様に手を合わせよ。」
偉業を人前で語るなと言われた子孫は、その通りにして、この「穀田屋」は、今でも商売を続けておられるのだそうです。
反省しました。2週間に1回程度、サイトを閉じちゃおうかなあと、この2年間思い続けてきたわたくしは、自身のやっていることに、驕ったり高ぶったり地道じゃなかったのかもしれない。ダメだよね~申し訳ない。低い妥協点で、納得してちゃいけないんだって。ここに書かれている無私の日本人たちに頭が下がる思いでございます。
最近、人生相談めいたお話を伺うことが多くなってきましたが、自分を含めた有名でない普通の人は、簡単に努力の見返りを求めすぎなのかもしれません。何ができたがらすごいわけでもなく、何かができないからダメでもなく、言葉ではない本当の努力と謙虚さは、一生落ち続けなければちゃんと「やってる」ということにはならないんだなあと、今日も新しいデザインを描こうと、思うのでございます。
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