問題の植物たち

KaunaoaやHinahina。どんな植物かよくわかっておりませんわたくしは、ハワイ8島のテーマプラントをモチーフにした生地を描いて欲しいというオーダーに、いよいよ避けて通れない時がきたことを理解いたしました。8島のモチーフの中でも、レフア、イリマ、モキハナ、ロケラニ、ククイは、ハワイアンファブリックにもたくさんございますし、わたくし自身もたくさん描いております。問題は、ヒナヒナ、カウナオア、ププ(シェル)の3つ。さあ、どうしよう~。ilima1

Webまずは、Hinahina。ハワイアンキルトの派たーっmでは、こんな感じです。ペレの髪の毛とも言われるHina Hinaですが、これをドレス用の生地としてどう表現するか、すごく考えました。全体的には、銀色の色味を最も感じるのですが、それを通り一遍にグレーで描いたら、だれも着たいとは思っていただけません。エアープラントなので、植物の持っている色と同時に、寄生する環境の持つ色の影響を受けるはずですから、いろいろな色の線を組み合わせることで、ええいどうだ!と描きました。これならベースの色をどんな色に変えていただいても、ほぼグレーな印象なので、素敵なドレスになるはずです。
kaunaoa

Web次は、最も悩んだKaunaoaです。ピローのパターンではこんな感じです。これもHina Hinaと同じくエアープラントで、ラナイ島の花でもあります。鮮やかな黄色のひげと、小さな白い花。個性的な葉の形で基本的に蔓植物。ひげの部分を編んでフレッシュレイにも使われます。ハワイの固有種でいろいろな島の海岸沿いに自生しているのだそう。ひげと、花と葉。この三つをそれぞれ組み合わせて、どう生地として綺麗に見えるかについては3日ほど悩みました。伝説にも登場するこの植物ですが、ほとんどハワイアンファブリックで、このモチーフを見ることはできません。生地のデザインは、つなぎ目のないように全て繋がるように描くので、少し頭が混乱するときもございます。
pupu

Web最後はPupu(シェル)。パターンとしてシェルレイは用意していませんが、とっても小さな巻き貝をつなげて作るシェルレイのことを指します。ニイハウ島を表すモチーフで、これもファブリックの表現からは外されているモチーフでもあると思います。ダークブルー&ライトブルーが島を表す色なので、全体的にブルーな感じにデザインしました。フラでは、長めのププを幾重にも重ねて使いますが、その際は、ピンクの小さな巻き貝を併用することはしません。
ファブリックを描く上で、今回描いた3つのモチーフは、難しいので、いつか描こういつか描こうと思って、それでもずっと今まで逃げてしまっておりました。こうしてお客様からのご要望が無い限り、もしかしたら一生描くことは無かったかもしれません。お客様が、わたくしを育ててくださるのだということを、こういう作業を通じて改めて感じるのでございました。また、超抽象化している、ハワイアンキルトのパターンの元になる植物をこうして描くことは、わたくし自身、とても大切なことと思ってもいるのです。

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