こんなデザインがあってもね~。誰も作らないわよね~。というデザイン、シリーズの中に忍ばせること、よくあります。描くときは面白いと思っていても、きっと売れないだろう。とか、誰も作りたがらないだろうとか。
でも、それが、本当に制作されて形になると、特別に嬉しいのです。そして、なぜだか作品になると、急に説得力を持ってわたくしに迫ってくるのです。それが、Murakami先生の「Tsubaki」のバッグでした。
予想以上のクオリティで完成されたこのバッグを拝見させていただいた時、かずちゃんすごい!とっても素敵!予想以上!と心から思いました。ベースがネイビーなのが、実用的で、また、椿らしくてとても良いと思ったのです。おそらく実用性をお考えになってのセレクトだとは思うのですが、それが実にうまく行っている。ファスナーのとこ、ちょっと失敗したとおっしゃっておられましたが、お目にかかった当日、ご自分の荷物を入れて、実際に持ってこられていました。街中で持って歩いているところも拝見しましたが、とってもかわいかったので、椿、いけるじゃん!って実感しました。
また、数あるパターンの中からこれをお選びになったMurakami先生に、心から感謝したい気持ちになったのでございます。と、同時に自身では、どなたも完成させていただけないかもしれないと思っていたデザインでしたので「なんで、これを選んだの?」って改めてお聞きしたくもなるという複雑な気持ちもございました。ハワイアンキルトらしさからかけ離れたモチーフのように思える「椿」ですが、日本ではよく見る花なので、花に対する理解があったことも、大成功につながった結果かもしれません。わたくしの実家の垣根は一周この、椿でございますので、個人的にも思い入れのあるモチーフです。椿には、チャドクガの幼虫が木に付き、季節ごとに殺虫剤を散布するのが、家族の中で唯一かぶれないわたくしの仕事でもございました。なつかしいなあ。
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