ウッドローズ、フラワーオブククイ、ホノルルクイーン、グリーンローズ、マイレ。この脈絡のないモチーフの組み合わせでのテキスタイルデザインのオーダーをフラ(ダンス)教室を主宰される先生からいただきました。2014年に日本ハワイアンキルト製作所のウェブサイトをオープンし、様々なデザインの仕事を請け負って参りましたが、一番大きなウエイトを占めていたのがテキスタイルデザインでございました。
フラ(ダンス)は、コロナウィルスの感染拡大という今の状況になる前は、季節を問わずあちらこちらで毎週のようにイベントが行われており、地域で活動するフラ(ダンス)教室で学ぶ方々とその教室の主宰者のみなさんは有料無料を問わずあちらこちらのステージで踊る機会が多いので、この業界ならではのドレスのニーズが盛んでした。ステージにはフラ教室の先生や生徒さんがダンスを披露し、客席周りにハワイアン業者が出店するという形式のイベントです。
現地ハワイにも昨年から今もロックダウン状態にあり、日本から気楽に行くことはできません。それと同時にハワイからも音楽家や日本でフラを教えるハワイのフラダンサーや指導者(クム、クムフラという)やハワイのフラ教室(ハラウ、ハーラウという)のフラダンサーも同じように日本に来ることができなくなり、フラおよびハワイアン業界は全て大きな影響を受けています。
フラ最大の競技会であるメリーモナークフラフェスティバル(ハワイ島・ヒロで毎年4月に開催されます。)も昨年は中止、今年は無観客の配信で行われるなど、身近だったフラ&ハワイアン業界は惨憺たる状況でございます。
2003年~わたくしもこの業界の仕事をしておりましたので、昨年から今年にかけて誰でもそうであるようにわたくし自身の仕事も大変なことになっています。
そんな中にあって、踊る場所がなくなったフラ(ダンス)教室の先生はもう新たにドレスを作る必要性を今は感じられない。特に首都圏ではいつ終了を迎えるかわからない緊急事態宣言の中にあって、テキスタイルデザインのオーダーは、ほぼなくなりました。ですので、今回オーダーをしてくださったことに驚きを感じますし、ある意味勇気があるなとも感じました。考えてみれば、この状況下いつまでも緊急事態宣言が続くわけではない。そろそろ動かなければいけないとお考えになることも納得はできます。
そして、5種の花を組み合わせたデザインで。というオーダーをいただきました。さらに、このオーダーが嬉しかったのは、あまりメジャーではないモチーフを組み合わせるという内容だったからです。通常オーダーいただくフラ(ダンス)用のモチーフとして一番人気なのは、かの有名な「Lehua(レフア)」。ご自分の教室名にこのレフアをお使いになる指導者の方も多数おられるほどの人気モチーフでございます。このほか、今回のデザインにも一部描いた「Maile(マイレ)」。これは、この植物の使われ方を考えますとよく理解できます。ですが、その他のウッドローズ、フラワーオブククイ、ホノルルクイーン、グリーンローズというのは大変珍しいのです。モチーフのいくつかは日本ハワイアンキルト製作所ではご用意があります。どんな植物なのかは、ページをご参照くださると嬉しいです。
いままでドレス用のテキスタイル柄は300種ほど描いてきましたが、昨年とある事情で全てのデザインがどこにも使われずにおかれております。これをどこかで活用したいといいことは常に考えています。さらにハワイアンキルト用のウッドローズとフラワーオブククイを描こうと決心したのでした。
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