「ハワイアンキルトの教科書・Aunty Deborah Kakaliaをめぐるキルトウォッチャーのメモ書き」を販売公開することにしました。この本に関しては、中に収録した写真やデザインの著作権について、いろいろ判断しなければならない項目がたくさんあり、写真を入手した2004年12月から18年間、Ver.1を最初に編集してから8年間一般公開することなくずっとわたくし個人の元に留めおいておりました。内容については、自分が死んだ後に誰かに託すことも考えたり、無かったことにしようか、あるいは全て廃棄してしまおうかと悩みの種でありました。
でも最近、こういう重苦しいことはどうでもよく思えてきました。なぜなら、わたくしと同じようにハワイアンキルトを愛する人、学びたい人なら誰でも見たい知りたいと思う事は当然だと思うようになったからです。それに18年間眠らせていたということは、この行動は営利目的ではないということをご理解いただけるのではないかとも思えたからです。
たった数百枚のハワイアンキルト作家が活動する様子を撮った写真は、18年間ずっとわたくしを楽しませてくれています。写真をPCに取り込み、何千回、何万回となく見続けた写真のほとんどを覚えています。そして歴史の学者のように写真の隅々まで見、そのおかげでハワイアンキルトに関する多くのことを学び、感動し、分析し整理し、こんなメモ書きみたいなものまで作ってしまった熱い気持ちは今に続いています。SNSがない時代の紙焼き写真は、インターネットでどこを探しても絶対に見つかりません。なぜならデータにしたのがわたくし自身ですし、一般公開はしておりませんから。
でもね、どこかで誰か、もっとAunty Deborah Kakaliaに近い人が、わたくしが思ったのと同じような気持ちで、同じように情報公開してくれることを待ち続けた18年間だったのかもしれません。残念なことに2022年9月現在、わたくしの期待は裏切られ続けています。
加えて、新型コロナウィルス感染拡大がなければ、この本は無かったことになっていたかもしれません。というのは、この3年間に何かが大きく変わったようで、聞いたこともない頻度で、もっとハワイアンキルトについて学びたい、知りたいというお声を直接いただくようになりました。これは作り方についてではなくもっともっと根源的なハワイアンキルトが持っている独特な世界観や歴史についての情報が欲しいという声で、それならわたくしでもお手伝いできるんじゃないかな?なぜならこの本は、国内で販売されているハワイアンキルトの本には決して書かれていない情報だけ掲載しているからです。そして、書いたのはわたくし、分析や構成を考えたのもわたくしでございますもの。だからキルトウォッチャーのメモ書きなんです。
日本ハワイアンキルト製作所のサイトを作って、パターン(図柄)だけを販売しようと思った大きなきっかけは、このメモ書きを作ったことも大きなきっかけになっています。分け隔てなく多くの人を受け入れ、ハワイアンキルトに楽しく触れる人が一人でも増えていただきたいと思っていること。ハワイアンキルトをちゃんと学べば、一生涯のライフワークにもできること。手法も大切だけれど、デザインはもっと大切であること、まじめに地道に活動すれば黙っていても周りがちゃんと見ていてくれること、その他多くの大切なことをわたくしに教えてくれました。そしてそれは、サイトの運営ポリシーにも直結しています。自身が制作を始めたころに受けた様々な障害を乗り越えハワイアンキルトを明るい部分から見つめ、自らがものすごい活動をしてきたAunty Deborah Kakaliaは、まじすごいし、今も大好きです。
このメモ書き本は完全に部数限定。今回のみで一切増刷やら再販はしません。部数を販売し終えたらまた18年くらい誰かが何かに気づいて行動してくれることを待とうと思っているのです。
このメモ書き本はすべてシリアルナンバーがふってあります。これは、正しく美しく情報が活用されることを願っての共有を目的にしています。一昨日に書いたように、また、作品制作とは関係ない部分でそれとなくハワイアンキルトの活動に参加したいわたくし自身の気持ちをご理解いただければな~とも申し添えたい気分です。
プライスについては、そんなにたくさん作れなかったので、かかった費用を部数で割ったら7,000円になってしまうことが判明。この値段はないな~と、少し割り引いて4,800円+税にしました。税の中には、文化庁やら法務局やらに収める費用に税金がかかるためです。ご理解ください。
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