本日は、ハワイアンキルトを離れて、ファブリックのちょっと大変な作業を行いました。最近フラの教室では、ハラウパウというのが主流で、教室の生徒全員が、お揃いのパウスカートをオリジナルファブリックで作ります。昔はハワイアンファブリックを使うのが普通でしたが、あまりに気軽に入手できるようになると、どこかのハラウ(教室)と同じになってしまうという悲しい出来事が起こる可能性もあるので、オリジナルの重要性が高くなるのは当然のことかもしれません。
今回のオーダーは、好きな2種の生地の柄を組み合わせて、ひとつの柄を作成するというものです。送られて参りましたイメージ画像に、わたくしは絶句。最近はやりの「タパ柄」の上に、花をあしらったもの。おそらくこの花は、プルメリアであろうと思うのですが、葉は要らないのだそうです。うーむ。あまりに違うイメージの生地2種を合体かー面倒だなあ。
救いは、イメージカラーが決まっていることで、リッチブラック&アイボリー。リッチブラックかーセレブだなーなんて思いながら、どうしようと悩むのでございました。まずは、花をなんとかしなければいけません。葉があるから決まっているのに、花だけ抽出う?なんて言いながら、ひとつのブロックをこのように作成しました。生地のデータは必ず繰り返し印刷されることを考えなければいけないので、花のブロックを決める必要があるのです。
大きな問題は、手描きされている下部のタパ柄です。これを花と同じようにデータにしなければいけません。仕方無く手描きのトレースを行い、なんとか柄が繋がるように操作しながら、こちらも用意しました。
で、出来上がったファブリックのデザインです。リッチブラック地に、アイボリー。リッチブラックとは、フルカラー印刷で使うC=シアン、M=マゼンタ、Y=イエローK=ブラックを100%の濃さで重ね刷りした後に生まれる色味のある黒のことを言います。リッチブラックの素晴らしいところは、全部の色相を持った黒なので、赤でも黄色でもブルーでも、ブラウンでも、アイボリーでも、なんでもぴったり合うという特徴を持っているところ。印刷会社でもリッチブラック禁止というところもあるほど、豪華な色です。
わたくしの仕事のなかで、こういった要望は多くございます。本来なら、最初から、生地を描いて初めてオリジナルと言えるのかもしれませんが、何も無いところから、この結果を想定することは、依頼主には難しいことなのでこういう形でのオーダーになるのは仕方のないことなのかも知れません。頂いたご要望に対して、どうしようかと色々考えるのは、つらいけれど楽しい時間でもあるのです。気に入ってくださることを、心より願っております。
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