フラの衣装や、レイ、楽器などを扱っている会社より、ファブリックのデザインを依頼されました。もともと本業の一部として、ハワイアン業界様のパンフレットやプログラム、チケットやフライヤーなどをデザインさせて頂いて来ております中に、ファブリックデザインもずっと続けて来た仕事のひとつです。最近では、ハワイから輸入したという生地でドレスを作ることは新鮮ではなくなりつつありまして、オリジナルファブリックを一定のロット印刷してドレスを作るフラの先生が増えています。わたくしがおつきあいさせて頂いているこのお店も、そういったお客様のニーズに合わせて布用のプリンターを購入せざるを得なかったそうです。そこで、必要になるのが、ハワイアンキルトのパターンと同様、オリジナルの絵柄です。せっかくプリンターを買ったのに、パターンがなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。そこで、ここに掲載している「オヒア・レフア」、や「イリマ」「ピカケ」など、フラで踊られるモチーフとなる植物をモチーフとしたオリジナルのファブリックデザインが必要となるのだそうです。
これらを描くのもわたくしの仕事ですので、植物を抽象的に描き、色や図柄のレイアウトを考える作業を行いました。ここに掲載したレフアは、フラでは最高にニーズのあるモチーフです。ですが植物の形状から、なかなか素敵なデザインのファブリックが見つからないある意味表現方法について永遠の追求が必要な対象であることは間違いありません。特に細かい表現ができないハワイアンキルトのパターンは本当に悩むのです。わたくしは、こうして、ファブリックの図柄も描くことも仕事ですので、植物の構造や葉の形、花の形などを徹底的に調べてデザインを作ることが、ハワイアンキルトのパターンデザインに活かされていると痛感しています。いきなり抽象的にキルトパターンのデザインからスタートするのは難しく、難の苦もなく描ける方はそれはもう天才的で、わたくしには到底そんなことはできません。
2番目の絵柄は「イリマ」これも、フラでは不可欠なモチーフです。花びらを何千枚も重ねて作るイリマのレイをご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか?イリマのレイをつけてこの柄のドレスで踊ると素敵よね~と想像しながら描くのは、とても楽しい。ドレスになったファブリックを見るのもまた、楽しいです。
最後はハワイアンウェディングなどでも使われ、ほかの2つよりは一般的な「ピカケ」です。花、つぼみ、レイを入れた形でデザインしてください。とのご依頼で描きました。ピカケは、つぼみを数珠のようにつないだ可憐なレイは良い香りがするので、香水の材料としても、使われる花です。ハワイアンソングでも歌われ、現代フラで日本でも多くの方に踊られるためオリジナルデザインとして必要とされているのかもしれません。
ファブリックデザインに関しても、1点いくらで描き、たとえそれが何百着のドレスに使われても、わたくしは一切追加で費用をいただくこともしていません。これは、ハワイアンキルトパターンと同じ考えです。ファブリックのデザインは、ハワイアンキルトのパターンを描くためには、必ず通らなければならないプロセスかもしれないと常に思って描いております。
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