額装すると面白い

最近「映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~」という本を読みました。車を売ってしまってから、わたくしの行動の基本は、歩く+公共交通機関+歩く。という形に変わり、今まで気にもとめたことがなかったことに妙な感動を覚えたりします。最も気になるのは電車の中におけるスマホ凝視率の高さで、車基本で活動していた数年前では気づけなかったことにたくさん気づくようになりました。
そんな電車の中の状況を見て、完全なるジェネレーションギャップを感じ、このままじゃいかん。と思っておりましたらたまたまこの本の情報を得たのでございました。現代的な現象や行動について面白く書かれている中で、わたくしの目を引いたのは、わたくしより若い方々は、どんなものでも「わかりやすくしろ」という傾向があり、「わかんなかった(だから、つまらない」という結果なってしまうのだという点でございました。知ってほしいなら情報を出す側がきちんとわかりやすく説明するのが当たり前なのだということです。衝撃的だったのは最近のある世代ではオタクにあこがれがあり、自分もオタクになりたいから、そうなるための情報をリストにして見せろ。というのだそうです。うーむ。何も言えない。
そんな状況の中で、ご依頼を受けたのが説明書作成のオーダーで、その内容が9月5日に記載した記事につながるのでございます。昔のことなど今更振り返っても仕方ございませんが、ここでふと思ったのは、ハワイアンキルトがそれとなく衰退の方向に向かっているのは、我々の説明不足が問題なのではないか?と感じたことです。このオーダーをくださったLANAI BLUEのオーナー様も、キットにセットする説明書にお客様からクレームが入り、モールを使ったネット販売で最も大切なレビューを下げられてしまうのだとおっしゃっておられたことです。たまたまこの本を読んでおりましたわたくしは、このリアルなお言葉に合点がいきました。同時に作り方の過程やその理由などを振り返れてよかったと書きましたが、それ以上に、わたくしたちが新しい人の勧誘に対して真剣ではなかったのではないかとも思いました。確かにハワイアンキルトの制作過程やノウハウにはミステリアスな奥義や秘密やローカルルールがあるのかもしれませんが、今の流れではそんなのはどうでもいい。わかりやすくないのはへぼい。そうだったのならこれはヤバい。

で、作ったのがこれです。まずは、ハワイアンキルトを始めてみようと思うきっかけとなる何かを、わたくしたちがきちんとご提案させていただかなければいけない?だったら今一度、最初のひとつとなるかわいくて楽しいパターンも用意するという一番わかりやすい方法にチャレンジしてみよう。
左上からプルメリアハイビスカスアンスリウムパイナップルココナッツツリーホヌ。この中で最高に作りやすいのはやっぱりアンスリウム。すごい達成感で美しく仕上げるには一番ステキなモチーフです。2番目はプルメリア。花の形が美しく、作っていて楽しい。3番目はココナッツツリーよく知っていてイメージしやすいモチーフなので、初めてでもチャレンジしやすい。以降はホヌ、パイナップル、ハイビスカスの順でしょうか?ホヌは日本でも愛されているモチーフなのですが、手や足(でないのかもしれませんが)が結構難しい。
これは見本として作成しました。これって普通は縁をパイピングで仕上げるのですが、今回は額装で、プロセスをショートカットしました。実はハワイアンキルトで仕上げたものを額に納めるというのは自身ではあまり考えたことはありませんでしたが、これ、結構いいじゃん。面白いし。なんといっても統一感があって完成度が高く見えます。フレームはダイソー様、セリア様、キャンドゥ様などの100円ショップならどこでも入手できる正方形のもので揃えました。外枠20×20cmで、見える範囲は17×17cmでございます。最初に作成するにはちょうど良いサイズかもしれません。この写真を撮るためだけに作成しするという馬鹿げた行動ではございますが、いっこ作ったら二個三個と揃えたくなる面白さもございました。

実はわたくしはもっと馬鹿げたことを行いました。もう少し小さなサイズのものも作成してみたのです。これは13×13cm。自立するフォトフレーム(by Can Do)に額装するためです。より小さい方が始めやすいのかな?いえいえこれは大きな間違いでございました。13cmですと上手に作るのは相当難しいため、初めてハワイアンキルトに触れるという方を対象にしたら嫌われてしまいます。なので、これはなし。でも結局12個も作ってしまった。(2個は今手元にありません。)

ですが大小を並べると割といい感じです。こういう小さな額が家の中にあったら楽しいかもしれません。20cmのフレームのエコーキルトの間隔は1cmで、13cmのものは1.2cm。小さいのは実現可能性が低いと感じ、仕上げを早くするために幅広で作りました。ちなみに、いつも思うのですがデジタルカメラで撮ると「紫」は「紫」に写るのですが、スマホで撮ると青くなってしまいます。ハイビスカスは青ではなくて紫で制作しました。

額装したものとそのままのもの。比較すると完成度が上がり、うまくなったような気持ちになってワクワクします。こういう小さくてかわいらしいハワイアンキルトが玄関や廊下、お手洗いなどにあったら優しい雰囲気になるかもしれません。額装って面白いし楽。パイピングの処理がありませんもの。

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