Halloween2012は、ハロウィンのデザインとして唯一無二のパターンをと考えて、2012年に描いたものです。一時的なイベントとして小さな作品を仕上げて時期を過ごすのが当たり前だったハロウィン。まさか100cmもの大きな作品を仕上げたがる人は居るのだろうか?と思いながら、でも、一枚作るのなら考えられるモチーフを総動員して、楽しく制作することが出来る!というのを最大の目的にデザインしたパターンです。細かいデザインでも2分の1のパターンなら、気軽にカットしていただけるはずだ。なんておそるおそるショップにも載せたパターンでした。
これを描いて数年経ちますが、その間にハロウィンのイベントとしての知名度は飛躍的にあがり、このデザインを作ってみたいと思ってくださる方が、こんなにも居られたとは思ってもみませんでした。
この作品のお写真をお送りくださったSameco先生の教室では、このデザインを先生ご自身も含めて5名の方が制作されておられます。5枚の中の1枚が、完璧に出来上がりました。このお写真からはお姿を拝見させていただくことはできませんが、彼女の「手」だけはご紹介させていただこうと、他の部分は消させていただきました。このおててが、作品を完成に導いた素晴らしい「手」です。
「僕のだよね?」と、制作途中からお孫さんも楽しみにされておられたそうで、子どもさんがご覧になっても、何が描かれているのかわかったのだと思うと、描いた時に思ったことが、制作者の方にも、お孫さんにも伝わっているような気持ちがして、うれしく思いました。
この作品は、モチーフのみにキルトラインが入れられています。お孫さんが作品に触れられたときに、綿のふっくら感を楽しんでもらいたいとお考えになったのでしょうか?そんなやりとりの中で出来上がった素敵な作品に、わたくしも感動いたしました。
新しく入られた生徒様は、大きな作品をいきなり作るのは大変。ということで、Sameco先生は30cmのミニタペストリーを用意されたそうです。「のタペストリーからかぼちゃとおばけを抜粋し、お月様をプラスしてみました。」とのこと。この作品の完成具合と、他の方の作品の様子も気になります。
同じデザインですが、色が変わると大きく雰囲気が変わります。こちらは、Lino QuiltのYosinaga先生の教室の作品です。ベースを暗く、モチーフを明るく、ちょうどぱたーんの明度を反転させた作品です。何度も申し上げておりますが、Yoshinaga先生は、全てKona Cottonをお使いになっておられますので、色の雰囲気も違います。パターンが同じでも、カットする方の視点や考え方で、いろいろな種類の作品が制作されるところをこうして拝見させていただけるのは、とっても楽しい。ましてやダメだと思っていたパターンがこうしていろいろ工夫されて、制作されているのだと思うと、不安が打ち消されてゆきます。
それはこの作品のお写真を拝見したときにも思いました。わたくしが思い描いた色のイメージは、画像のようなものでした。ハロウィンはがやがやとうるさく、ガチャガチャした感じ。だから、たっぷりと色を使ったほうが楽しいに決まっている。ところが、Yoshinaga様の教室の作品は、写真のようなクールでシック。へーこれもいいじゃん。いろんな色を使うと、生地もたくさん揃えなければならないから大変。むしろ、フレームのカボチャの蔓がはっきり見えていい感じ。なるほどね~。
この2点の作品は、すでにキルティングの段階に入っているはずです。だって、このお写真ずっと前にお送りくださったものなので。ご紹介させていただくのが遅くなって申し訳ございませんでした。
最後はPUNAのShimamura様(先生)の作品です。Castle & Bat。35cmのパターンです。これ、パイピングが最高です。このお写真を拝見させていただいて、あっぱれ、素晴らしいと思いました。ドットの生地が使われているのです。しかもかなり大きめのドット。でも、これ、とってもかわいい。なんて思っておりましたら、生徒様の作品まで、お送りくださいました。Cat Monsterです。こちらも先生とお揃いのドットの生地でパイピングを仕上げられています。さらにShimamura様の作品は、きっちりとキルトラインが入れられていて、ご自身のハワイアンキルトに対する考え方が伝わってくる気がするのです。それなのに、ちゃんと遊びの要素が加わっている、このハロウィンの作品、最高に楽しい仕上がりになっていて、わたくしも幸せな気分になりました。
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