Flagのキルト

先日なつかしギャラリーで、クラウン&ハワイアンフラッグの作品をご紹介しまたら、何名かの方から、パターンを販売しないの?というお問合せをいただきました。パターンを描き、それを商品として販売するのはわたくしにとって当たり前のことでございましたが、Flagキルトについては、大きな不安が残りました。
WH069_crown_dep_500というのは、フラッグのデザインはこのようになるからです。赤・青・白の生地を組み合わせて作り上げることになるので、パターンは描けても、どのようにカットするのかということを、検証する必要があると考え、休日を利用して、北村先生と、あーだのこーだの言いながら、このデザインのキットを作ることができるのか、一日かかって作業を致しました。その結果、これはキットのみの販売で、パターンの販売を見送ることに致しました。だってあまりに大変なんだもの。
下からどんどん布を重ねて行けばいいんじゃない?という訳には参りません。まず、パターンをセンター部分とフレームを構成するハワイアンフラッグとに分け、作品制作する際にも、別々に作って接ぎ合わせるという手順で作らなければ綺麗に出来ないということもわかりました。実際にカットして接ぎ合わせるために、どこにどの程度の縫い代を足す必要があるのか。パッチワークを手がけておられる方なら、簡単にできることなのかもしれませんが、わたくしたちには難し過ぎる=お客様がパターンを購入されたとしても、困ってしまうに違いないという考えに至りました。
「こんなパターン売ったらクレームになっちゃう…。」
kit5まず最初は、フレーム部分のユニオンフラッグの部分から作業スタートです。これっていくつかの同じ型紙を使って組むことができないので、ナンバーを入れ、ひとつひとつカットして、番号の位置に合わせるひつようがあることを、作業をしながら気づいたのです。また、忠実に再現できるように縫いしろをどのように取るのかについても結構悩みます。また、生地をまっすぐにカットするために、カッターを使ったり。このパターンは110×110cmサイズのウォ-ルで考えておりますので、多少苦しい部分もあるのは承知の上です。いきなりフラッグに火が付いたわたくしたちにとっては、フラッグのウォールが無い理由にうすうすと気づきながら、作業を進めるのでございます。ちなみのこのフラッグは1枚仕上げるのに、4セット組む必要があるのです。

この作業を終えて、次は、中心部分のカットに入りました。ベースは赤、対角線にハワイアンフラッグが入り、黄色のフレームで囲む。その上に、カヌーのパドルと王族のカヌーに立てられたという「プエラ」という飾りが描かれたワッペンのような部分と、「プロウロウ」という球のついた棒2つを重ねてゆきます。実際の紋章にはこの黄色のフレームの上に王冠が載っているのですが、このサイズで入れるのは到底無理でございます。なので、このウォールは、フレームの中だけをトリミングして入れることにいたしました。

それでも、作業はいっぱいありました。kit6

①黄色のフレームの中に対角線に配置されているフラッグのストライプを二組作り、ネイビーの生地と組み合わせて、ベースを作る
②他の部品と合わせて、おかしくないかを確認する。
③ベースの赤の上にのせて、一部しつけをかける。
kit4最後の不要な部分をカットして、しつけをかける。(夜遅くだったので、明るさが足りない写真で申し訳ありません。)で、こんな風に中心部分が出来上がりました。
先日お問合せいただいた方の中に、カットの仕方を教わりながら作りたいということをお申し出いただきましたが、これは確か手強いと痛感いたしました。ひとつのキットを作り上げるのに、二人でかかってここまでで作業終了です。まあ、今回この作業を行ったことで、次回は同じ事を半分ほどの時間で終わらせることができそうであることは間違い無いと思います。
パターンを販売しておりますわたくしは、いつでもご自分でカットしてご自分の好きな材料で作品を作っていただきたいものばかりをショップに出させていただいております。ですが、このハワイアンフラッグに関しては、パターンを買っても、自分でカットして作る意味はあまり無いということや、制作過程はハワイアンキルトから逸脱している要素が、あまりに多すぎるということで、フラッグの作品が少ない理由に繋がっているのだと思いました。ましてやウォールサイズなんてねえ。
OBD029_flag_bed

同時にわたくしは、馬鹿では無いので、225×225cmのパターンも描いてみました。中心部分は125cmです。このサイズになると、大きさ的には楽になりますが、行う作業は同じプロセスを踏むことになるので、このパターンの販売も、少しペンディングでしょうか?このパターンの構成は、中心部分のパターンが2枚。フラッグのパターンが1枚。色見本。という4枚になってしまいます。送られて来たパターンを見ても、なんじゃこりゃって思われてしまいます。
こうしてフラッグにチャレンジして見て、なかなか見つからない理由がよーーーくわかりました。

コメント

  1. lino より:

    フラッグキルトはハワイアンキルターの憧れの一枚だと思いますが、この記事をみて「うぁ〜、こりゃ大変だ…」とはじめに思ってしまいました。
    私自身フラッグは縫ったことがありませんし、たまにブログなどで拝見するフラッグキルトの製作過程の画像などを見るときに、どこをどう布を繋いでいるのかなど考えながら見ていました。
    なんとなく想像はしてましたが、このように解りやすく手順を載せていただいて勉強になると同時に、仕上げるまですごく大変なんだな…思いました。
    だからこそ皆が憧れるパターンなんでしょう(^ ^)
    この画像からもそのことがよく伝わりました。

    • anoono より:

      ちゃんと組んで行くことを考えたら、これはまさにパッチワークです。
      いい勉強になりましたが、考えるプロセスはとても楽しかったです。
      他の作り方もあるのかもしれませんが、キルティングを入れて行くことを考えたら、
      布を重ねてどんどんって訳には行きませんので、
      なかなか手出しできないデザインなのでありましょう。って思いました。

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