5月の会合のときに、写真右上のポーチを新作として見せてくださったSayuri様。彼女はパッチワークの講師としての資格を持ち、現在は、柏と志木の2教室を主宰されております。彼女も、わたくしのパターンをお買い求めくださって、これを使って教室を運営されておられます。
バッグはモンステラ、ポーチはホワイトジンジャー、手前のポーチは桜。さすがにお一人の方が制作された作品ですので、作品世界がSayuri色でまとまっています。これを拝見して、ああ、Sayuri様には好きな色の組み合わせがあるのだな。そして、この世界の色合わせを得意とされているのだなと感じるのです。きれいな色の組み合わせを知っているということはきっとご自分の武器とされていることと思います。作品を長く拝見していて思うのは、
1.鮮やかな色があまり好きではない
2.無彩色(グレーや黒や白の色味のない色)が好き。
3.ピンクや紫などの色が好き。
という、日本で教室を運営する先生として色合わせを考える上で参考となる手法が含まれています。古来のハワイアンキルトでは、白+ソリッドの1色という組み合わせが普通でしたし、バッグやポーチは、ごく最近になって作られるようになったアイテムですので、色合わせについて深く考える必要はありませんでした。というのは、選ばれるソリッドの1色は、モチーフの色だったからです。
ところがバッグなどのパーソナル要素の強いジャンルのものは、複数の色を使うケースがほとんどですから、急に色合わせのセンスが問われることになるので、先生たちも大変だと思います。また、日本で販売されているソリッドカラーの生地は、海外と比較して色数が少ないために、きれいに見える色の組み合わせが限定されてしまう傾向にあります。
Sayuri様のように、同系色+無彩色の組み合わせは、色合わせに悩んだときに、見本となる解決法のひとつです。赤・青・黄の三原色と、赤+青=紫、青+黄=緑、黄+赤=オレンジで、色は大きくわけて無彩色+赤・紫・青・緑・黄・オレンジの7種に、茶色を足した8系統に分類されるので、この8種の得意な色あわせのバリエーションを考えておくと、ご自身の武器になることは間違いないと思います。
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