先日、久しぶりに楽しませていただいたキルトウォッチングをきっかけに、今までの自身の歩みを振り返ってしまいました。伺ったキルト展の案内バナーを拝見するとこの先生は20周年記念って書かれておられましたけれど、自分はいったい何年関わっているんだろなんて。自身の保存しているデータを見直してみると、わたくしがハワイアンキルトに関する活動を始めましたのは、2004年5月に仕事でご依頼を受けた「Kapa Kuiki」の編集が最初でした。この本はハワイの有名キルト作家「アンティ・デボラ・カカリア」について書かれている本で、限定部数で発行されたました。(現在は完売しており入手不可能です。)ということは18年が経過したことになります。
Kaoa Kuikiに登場するアンティ・デボラ・カカリアはハワイの有名キルト作家で、それまで何も知らなかったわたくしも、この人の生き方やハワイアンキルトのデザインについて知ったことが、今の行動につながっています。出会った頃はハワイアンキルトはオープンで楽しいものであると思っておりましたがこの間にいろいろな人と出会い、いろんな活動をして、大きく膨らんでいくものと思っていたその人間関係はどんどんしぼんでいき、今は一人になりました。
キルトウォッチングさせていただいたハワイアンキルトサロンManaの島田桃子先生もアンティデボラカカリアについてよく知っておられ、「Kapa Kuiki」は、愛読書であるともお話されておられました。きっとこの会話のせいで、過去を振り返る作業に突入してしまったんだと思います。と申しますのは、「ハワイアンキルトのことをもっと学びたい」と活動歴20周年を迎える先輩である島田先生はじめ、他のかたからも同じようなお話を伺う機会が増えていたからです。
自分がハワイアンキルトに今関わっているから、いろいろ邪推されてしまうのかもしれませんが、今も考えの基本は最初にかかわった「kapa kuiki」とアンティ・デボラ・カカリアがすべての基本になっていると思っています。彼女の活動を調べてみると、意外とオープンだったことがうかがえます。デザインパターンのことについても、黙って人のデザインを使うことはよくないけれど、目にしたデザインを参考にして自分のデザインを描くことをすすめています。これは日本ハワイアンキルト製作所の基本的なコンセプトでにつながっています。パターンをご購入いただき、それをベースにアレンジしてオリジナルを作るきっかけにしてほしい。これによってデザインパターンは、布や針や糸や綿と同様、材料のひとつにすぎないものになるとわたくしは考えています。それより大切なことは作品を作りあげることだとで、Kapa Kuikiの中にも少しでいいから毎日縫い続け、作品を完成させることが大事だと書かれています。
自分のようにパターンやら歴史やらノウハウやらにばかり興味を持つ人間は、ハワイアンキルト的には部外者なのかもしれませんし、作品がないので誰からも評価されることもございません。ですが他の方の作品をよくよくよーく拝見させていただく行動から、作りもしないのに多くのことに気づき学ぶことができます。人とは違った部分でハワイアンキルトに関する情報を集め、分析し、発見したことを明文化し、パッチワークの1ジャンルではないれっきとしたノウハウがあることを強く主張するやからが一人くらい居たっていいじゃないとハワイアンキルトをずっと見つめてきました。
自宅に戻り、2004年からずっと保存し続けているハワイアンキルトに関する写真や記録、未だ未公開の様々なハワイアンキルトに関する情報を見直すと時間は簡単に戻ってしまいます。アンティ・デボラ・カカリアが伝えたかったノウハウに気づいた瞬間やそのすごさについてや、以前おつきあいのあったハワイアンキルトの先生や作家のみなさんの制作された素晴らしい作品のお写真拝見しながら思い出したり振り返ってみたりするとあっという間に1日が過ぎていきます。今までさんざん見て、いろんなことに気づかされた情報を1からすべて振り返ってみると、やっぱりすごいなと感じ、改めてもっとこういったことを自由に語り情報交換できるるようであれば素晴らしいのになとも思うのでございます。
一般公開していない情報は、個別に提供させていただくこともありますが、コーチングのご要望いただいた場合と確実に作品制作につながっていく場合に限ります。知っていただきたいことや見ていただきたいことはたくさんあるのですが、現状は自由に語ることができない不自由さを感じ、すごく残念なことですがしばらくは今までと同じに対応していこうと思っております。なんだかな~。
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