石巻の真っ黒クロスケ

stone「東京駅の屋根になるはずだったスレートたち。あの震災の日、石巻の倉庫で出番を待って保管されていたスレートが津波によって流出してしまいました。80%は後に回収できたものの残りの20%は漂流。その20%がここ湘南に流れ着いているのをご存じでしたか?そのスレートを少しづつ拾い集めたので真っ黒クロスケを作ってみました。」see遊 Mayumi

本日は平塚のALAKAI BSにお邪魔させていただきました。新しいWebsiteを制作したいとのことで、久々に営業に出かけたのでございます。オーナーの佐々木昌代氏は、プロのボディボーダーで、以前海岸近くに住んでおりました頃、お世話になった方です。この平塚のお店は、ボディボードスクールなどを開催しているショップで、8月以降、ホームページの更新をしないでいたら、変なホームページの制作会社から、電話がじゃんじゃんかかって来て、放置しているとこういう目に遭うのかと、わたくしに連絡をくださったのです。そんなお店の中に、目のついた平たい石がたくさん置かれているので、わたくしは「これはなあに?」とお訪ねしましたところ、文頭のメッセージが書かれた紙を見せてくださいました。
東日本大震災のとき、改装中だった東京駅の屋根に使われるスレートが、石巻の倉庫に保管されていたのだそうです。書かれているように、80%は、回収できましたが、流され、漂流してしまった20%が、2年半かかって、葉山の森戸海岸に流れ着きました。スレートは削られ、葉山に流れ着いたときには、写真のような姿になっていて、なんだか「となりのトトロ」に出てくるまっくろくろすけのよう。そこで、このMayumi様は、そのままの状態で目をつけて真っ黒クロスケとされたのだそうです。
この方は、海岸によく落ちているガラス片を集めて、様々な作品を作っておられており、月に1度出張で、作品の作り方などを指導されています。今月はまた、18日に教えに見えるそうで、よかったら来ない?と誘ってくださいました。

「震災以降、海で遊ぶ人が減った。特に若い人がね。」と彼女
「なんで?」とわたくし
「放射能が怖いんだって。」
「そうなの?」
「だってさ、この石を見てもわかるけど、石巻の海からこうやって葉山に漂着する訳でしょ?そういうのを見るとやっぱり海は繋がっているんだって、私だって思っちゃう。仕方ないよね。」

……。わたくしは考えてもみませんでした。しばらく海から離れた生活をしておりましたので、海が繋がっていることをすっかり忘れてしまっていたのでございます。わたくしは決して社会派タイプではありませんし、原発事故のことに意見できるような立場にはありませんが、震災から3年ほど経った今でも、想像もつかない細かな影響が、わたくし自身を含めて多くのところであるのだろうと感じたのでございます。冬は海で遊ぶ人がめっきり減るので、心をこめて、彼女のWebsiteをリニューアルしようと決心したのでございます。

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