アノニマスデザイナーの悲しみ

空を見上げて気分を気分を落ち着けよう
台風一過の空。美しい空を見上げて気分を晴らそう

ここまでのわたくしの仕事は、どなたかの事業の成功や名声、あるいはブランディングなどわたくし自身の存在は名無しであることを義務づけられてきた「無名のデザイナー」でありました。この仕事人生の中で「バブルの崩壊」「ミレニアム」「クライアントの倒産」「支払い踏み倒し」などの様々なピンチを乗り越え今回の「COVID19の感染拡大」でわたくし自身の商業デザイナーとしての業務はひどく厳しい状態でございます。

これによって、うれしいことにわたくし自身は人生で初めてセルフプロモーションが許される状況になりました。なので、これからはわたくし自身がこれもやります。あれもやります。こんなこともやってます。というようなことをどこかで少しずつ自身で宣伝していく必要があります。昨日の記事もそういった流れで記載したものです。YUHKIさんはここに書かれることはきっと嫌だろうとは思います。なぜなら、他の人の衣装を手がけることを快くは思わないだろうからです。
ですが、それではご飯は食べていけません。人生100年と言われる今の時代、否が応でも今まで社会人としてやってきたのと同じぐらいの時間がこの後も続く可能性があるわけで、わたくしもみなさんと同じように利益を得なければ生きて行けませんのです。

そんな昨日の記事をお読みになったと思われるある方から、さっそくわたくしが関わったことをブログなどに記載しないでほしいというメッセージが届きました。その種のメッセージはわたくしにとっては別に珍しいことではございませんが、それこそ「きたー!」という感じ。多くの仕事はわたくしが勝手なことをしないように行動に制約をつける機密保持契約や業務委託契約を結ぶことがほとんどで、特に機密保持契約は、仕事が終了しても一定期間契約が継続していることがほとんどなのでございますが、そういった約束事がない場合は、わたくし自身の営業の自由は何も制約を受けないということが我が国のような資本主義あるいは自由主義の国では許されているとわたくしは解釈しています。
情けないのは、日本ハワイアンキルト製作所サイトで、全てのデザインを公開し、自由に使ってくださいと言い続けているのに、どういう理由かデザインを依頼してくる側のほうがデザインに対する厳しさを求めてくるという我が国の状況を感じるこういう時です。

自分ができないことを人に依頼する場合は、相手の存在を受け入れ、自分が依頼する仕事がない時でも常に相手がひとつでも多くの仕事ができるように配慮して何かあったらすぐに紹介する橋渡しをしています。作業が終了したら即費用を支払い、ありがとうございます以後もどうぞよろしくお願いしますっていいます。
わたくしにデザインを依頼してくるというのはこれと同じようにご自分でできないからなんじゃないの?なのにどうして?
わたくしを使っていることを人に言えないなら、依頼はしないほうが良くない?
と、心から思うのでございます。わたくしが仕事をする際に常に考えていることは、依頼者の利益以外のなにものでもございません。ハワイアンキルトにしたって、教室でパターンを自由に何度も使用でき、キットを自由にいくつ生産していただいてもネットで売ってもオッケー。今まで一度もお客様からパターン以外の費用をいただいたことはございませんし、頂こうとも思ったことも一度もございません。これは、購入者の利益を考えていると自信を持って言えます。
デザインの自由やアレンジの自由の意味をわたくし自身は誰よりも理解し、そこから生じる自分自身の不利益についても誰よりも理解しているつもりでございます。もちろんメッセージをお送りくださったこの方の理由なきオーダーは受け入れます。ですが、情けなく悲しい気持ちになったのはまぎれもない事実でございました。

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