自分の値段

Asano様が先日ご紹介させていただいた、キーケースについてのお問合せをくださいました。メールでお返事させていただくために文字を入力しておりましたら「キーケースのキット」が「ケーキのキット」に見えて、ん?間違えたかな?ああ大丈夫だ。よかった。メールを書きながら、昔からカタカナが苦手なことを思い出して一人で苦笑。年とったなー。特にひどいと思ったのは、ショッピングモールの駐車場に貼られていた「カラブカシ禁止」が「カブトムシ禁止」に見える。バーミヤンの「スープバー」が「スーパーブ-」に見える。
駐車場で「なんでカブトムシがだめなの?」って息子達に聞いたら、「病院行ったら」と言われたことを思い出してしまいました。どんなに大人になっても苦手なものは苦手です。まだまだ出来ないことがいっぱいあるなー。
shimamura_mango_500というのは、最近教室をスタートさせたShimamura様もわたくしと同じように悩んでおられる雰囲気がございました。おそらく指導者になられたことで、今まで見えなかったことが見えてこられたのかもしれません。いろいろな教室で、インストラクターになるためのプロセスを踏んで、晴れて先生になられたとしても、それって本当に平気なの?先生なんて急に言われちゃっても大丈夫なの?
もともと、手作り関連の資格というのは全て民間資格だから、課程を踏んでも踏まなくても、自分が決めた時からどんな方でも先生になれる自由さがあります。これこそ資本主義の醍醐味なのだけれども、この自由の恐ろしさを、どれだけの人が感じているのかは全く不明です。
Shimaura様は、きっとこの自由の恐ろしさに気づいたのかもしれないなんて思うのです。
何もかも、自分で決めて、誰の重言も受けることなく、進む方向をたった一人で決める。自分のビジネスに必要な知識や情報を選んで集めることや、人に教えられるスキルを身につけることや、自分の値段をいくらにするのが妥当なのかということなど、どう選んで、どうお金に変えてゆくのかなんて、そう簡単にできることではないから、悩むに決まってます。
わたくしの仕事も工業デザインからスタートして、文字や、製品、グラフィックなどいろいろ手がけて来ておりますが、わたくしたちデザイナーにも資格は一切ございません。取れる資格といえば溶接ぐらいのもので、わたくしは、その溶接の資格すら持っていません。ですが、今も昔も資格も何も無い中で、ちゃんと暮らしを支えて来られておりますし、日々ひとつでも出来ないことをなくそうと努力は惜しまず歩んでおります。
Shimamura様は、キットを売って、もし買ってくださった方が、作品の完成ができなかった時には、ご自分が費用をいただいて、完成させてあげます。というサービスを開始されています。
そんな親切なことをお考えになるなんて、本当にいい人。だけど仕立てのお値段の設定に苦労されておられます。わたくし自身は、日本人が手作りするものなら、それなりのプライスを設定すべきだと思いますし、作品が製品としてが高い値段で流通してほしいと願っております。きっと今、ご自分のお値段についてすごく考えておられると思います。
写真のマンゴーのキットも、仕立てのお値段を設定して販売されたのだそうですが、すぐにキットとして売れちゃったそうです。彼女のところにも、作る方だけが集まるのかもしれないから、しばらく仕立てのことは考えなくてもいいのかもしれません。

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