新しい羊ができあがりましたと、Kawasaki様より写真が送られて参りました。これは、今までに無いパターンで、おめめがビーズによって仕上げられています。このお顔を拝見して、「そうか、ビーズか。なるほど」とにこにこしながら嬉しくなりました。それぞれの方が、ご自分の作品制作の際に、ご自分のオリジナリティと愛を注ぎ込む瞬間を拝見させていただいたような気持ちになりました。
Kawasaki様曰く、キルティングの針目が大きめで、納得のいくキルティングになっていない。うーんそうでしょうか?針目が一定で綺麗に揃っているのでおっしゃるような問題は、全く感じませんでした。それより顔。顔です。黒い大きめのビーズ超かわいいです。また、羊のふかふかふっくらとした感じを出すために厚手のキルト綿を使って仕上げてくださったそうです。この作品、ちゃんと顔に目が行くように作られている面白い作品だと思います。さらに、あっという間に仕上げてくださったことにも感謝致しております。ありがとうございます。
12/26にご紹介した、この羊のギャラリーと合わせてご覧いただくとまた面白いかもしれません。
それにしても作品をお作りになる方は皆さん謙虚で、努力家の方が多いです。こんな美し作品を仕上げられながらも、自信が持てないとおっしゃる。不思議です。わたくしにご連絡くださる方々は、どこかで皆さん悩んでおられるのですが、それはきっとわたくしが日本ハワイアンキルト製作所のサイトを開設した理由に直結しているのだと痛感いたします。わたくしもお手伝いしていたハワイアンキルト教室の指導者を8年感見ていて思ったことは、結局何も残っていないということでした。
フラと違って、ハワイアンキルトは、日本のハワイ業界の中で、独特な位置を保っていることを痛感します。ハワイアンキルトを手がけておられる方で、フラやハワイアンミュージックも一緒に学んでいるという方は圧倒的に少ない。わたくし自身は、デザインの仕事で、フラの興業やフラ教室の指導者とハワイアンミュージックに関わる方々、先生方に衣装を提供するハワイアンショップの方々、レイメーカーやフォトグラファーなどとコンタクトを取ることが多々ございますが、ハワイアンキルトに関わる方としてお目にかかったことがあるのはミウミント様くらいです。同時に、パッチワークの1ジャンルと考えられたり、パターンに関する様々な論争で、もの作りの視点からも遠巻きに見られている部分があって、やっぱりここでも独特な位置づけになってしまっていることを感じてしまうのです。この原因は、自分を含めてハワイアンキルトに関わる人間のクオリティの問題が大きかったのだとわたくし自身は深く反省しております。
きちんとしたノウハウを、後生に残したり、作品制作した方が主役になるようなやり方を考えたり、パターンの論争が起こらないよう、自由に使えるデザインを用意して、デザインのクオリティや、作品制作についてや、モチーフについてなど、純粋にハワイアンキルトについて議論したり一緒に考えたりできるようになったらいいと思っているのです。
作品に真摯に携わって居られるKawasaki様のような方のメールを拝見させていただくと、本当に申し訳なく思うのです。きっと皆様多くの情報に翻弄されておられるんだな~と。綺麗に縫えていても、そうでなくても、勤勉でまじめな日本人なら、ハワイの文化や歴史を学びつつ日本独自のノウハウを確立できる能力を皆さんが持っていると信じて「日本ハワイアンキルト製作所」としたのでございます。
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