ひさしぶりに作品のお写真をお送りいただきました。気付けば5月30日。もうすぐ5月も終わってしまうぞ。と苦笑。
わたくし自身は相変わらず社会性のない生活を送り続けております。COVID-19が感染拡大し、ようやく収束?に向かっていると言われていても、戦争が起こっていても、観光船の大きな事故があっても、どなたかに間違って大金が振り込まれてしまったりしても自身は何の役にも立たっていないな~。ここ数年、何のためにここまで生きながらえてきたのかなどと考えることが多くなりました。ですが、このお写真をお送りくださったM.H.様のメールを拝見して少しは役に立っているのかもしれないと思わせてくださったことがひどく嬉しく思えたのでございます。なぜなら
「いつも素敵なデザインありがとうございます」って最初に書いてくださっていたので。
M.H.様のGecko Unfer the Leafsです。一番驚きましたのは、素材と色。わたくしがデザインを考えた際には、全く想定していなかった完成作品のイメージに驚かされました。フレームに使われておりますのは黒をベースにした小花柄で、グリーンのモンステラの部分と同じ柄のようです。主人公のGeckoは、しっとりとしたトカゲをイメージさせる色と柄で、パターンをデザインした際に少し細かめに入れたキルトラインを柄で再現されておられます。うーむ、うまい。さらにおしゃれで現代的に仕上がっている。うーむ、素晴らしい。わたくしだったらこのようなカラー&素材のセレクトは絶対にできないなー。なにより、自由に楽しくご自身の作品を制作されておられることが強く感じられたことでございます。これは、2014年6月に日本ハワイアンキルト製作所のサイトをつくろうと思った最も大切なコンセプトのひとつでございます。パターンや参考色見本に左右されることなく、線で描かれたパターンからご自分だけの完成予想図を思い描くことができた結果につくられた作品だと感じることができたのでございます。
最近、とある方から、わたくしのサイトはお金を稼ごうとしていない感があって素晴らしい。なんて言われましたが、かれこれ8年間泣かず飛ばすのまま来ていることは大きな問題だと思っています。でも、ハワイアンキルトは1つの作品を完成させるまでに膨大な時間がかかりますし、制作される方のお考えや世間でよくいう「こだわり」というようなものの結論を出す過程での試行錯誤などを考慮すれば、なははは~儲かっているぜ~とは行かない種類のものでもあるとも思っております。
まあ、問題の箇所はよーく自分では理解もしておりますし。
ですからこのような作品を拝見させていただくと、初心を忘れそうになっている自身を再確認できる機会でもありましたので、その点でも感謝させていただきたいと思うのです。
驚くなかれ、お写真はもう1点お送りいただきました。Ukulele and Koaでございます。このパターンはピローサイズのものでございます。ウクレレはコアウッドを素材にして作られているのがホンモノと言われていて、コアウッドは大変高価な木材です。ハワイで様々な工芸品や家具のお値段をご覧になって「びつくり」された経験をお持ちの方も多いと思います。葉の形が個性的で綿花のような花がつきます。材料全体がとっても魅力的なモチーフ。でも地味。斜め半分のパターンですが、これをピロー単体に仕上げられたのではなく、ハパハオレスタイルのフレームを付けて完成されています。
この作品のモチーフの材料も秀逸。コアウッドの素材の持つ色や雰囲気が再現されていて、M.H.様はコアウッドのことをよくご存じなんだとこのお写真を拝見してほくそえみましたでございます。地味なパターンに華やかなハワイアンファブリックで、枠をつけ、パイピングはまたちゃんとパターンの色と呼び合うような色味で締めておられます。これからの季節にタペストリーとしてお部屋にデコレーションしたり、額装したりすれば、ハワイっぽかったり夏っぽかったりで、とっても素敵な感じになるんじゃないでしょうか。とお写真をよくはいけんしてみれば、枠の部分のキルトラインがまたまた素敵なんですね~もう。
この2点のお写真を拝見して思いますのは「作風」という言葉でございます。さきほど申し上げた制作過程の試行錯誤の結果生み出されるお一人お一人の個性が、いくつか集まるとその方ならではの作風が形成されるのですが、M.H.様の作品から久しぶりに作風という良い言葉をイメージすることができました。パターンと作品を通じて生まれるコミュニケーションは以後も大切にしていかなければならないと思います。現状掲載許可のお願いをしている最中ですので、この作品のお写真は、無許可で使用中です。でも、とにかく久々にすごく嬉しかったので、許可無くご紹介させていただきました。
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